2015.07.19
知る人ぞ知る、福島の秘境「入水鍾乳洞」
日本昔話で見た地獄への入り口に似ている。
福島といえばあぶくま洞というとても美しい鍾乳洞が有名だ。とても大きな鍾乳洞で様々な形の鍾乳石を見ることができ、どれもがダイナミックで美しく、多くの人が訪れる観光スポットだ。
だがそのあぶくま洞からすぐのところに、あまり知られていない「入水鍾乳洞」という、かなりヤバい鍾乳洞があるのをご存じだろうか。。
読んで字のごとく、水が流れる鍾乳洞。
入水鍾乳洞に行ったことのある会社の先輩に、私は言われた。
「下が水なんだけどね、まず水にボチャンと足を入れて感覚がなくなるまで待つんだよ!その水がめちゃめちゃ冷たくて!冷たいっていうか、痛い?!痛いんだよ!痛い痛い!マジで死ぬ!って思ったけど、しばらくすると冷たくなくなるの。ってゆうか感覚が無くなる!w それで真っ暗で狭い鍾乳洞のなかをろうそく一本で進むの!まじで笑えるでしょ?!なんで金払ってこんな辛い思いしなきゃいけないんだよって!!だから是非、行ってきて!」
せ、先輩、、
そんなめちゃくちゃなこと言われて…行きたくないわけないでしょう!!!
わ~すごそう怖そう!楽しそう!!!
ということで、
行ってきました入水鍾乳洞。
先輩の話から察するに、装備無しで行くのはかなり危険。
・灯り(両手が自由である必要があるためヘッドライトが望ましい)
・かかとのある履物(水の中を歩くため、脱げないように、クロックスのような靴が良い)
・濡れてもいい服装(中には四つん這いになって進むところもあるので、膝上のショートパンツなどが良い)
・無駄なものは持って行かない(ケータイ、カメラは水に濡れたらアウトだしそもそも邪魔である。それに落としたら最後、回収は不可能だろう。)
鍾乳洞近くのホームセンター(行くまでの大きい道にあった)で装備を整える。
ヘッドライト購入!!(電池も買った!ぬかりはないぞ!)
クロックスもどき購入!!
ところでこの鍾乳洞、全長900mで、距離によってA,B,Cコースと3つのコースがある。
・Aコース:水に濡れない。ある程度整備されてる。
・Bコース:水に濡れる。人の手が加えられていない。狭い。暗い。
・Cコース:水に濡れる。人の手が加えられていない。狭い。暗い。案内人が必要。
(引用:http://abukumado.com/see/irimizu)
要は、Aコースは誰でもできる鍾乳洞観光。Bコース以降アドベンチャー。
我々はBコースを選んだ。
入口のところでチケットを購入。ロッカーに貴重品を預ける。ここでは「ろうそく、草履、カッパ」のレンタルもできる。我々はレンタルせず、買ってきたヘッドライトを装着、靴をクロックスもどきに履き替え、いざ、入洞!!!
※この先写真は一枚もありません。
中に入ると、ひんや~り涼しい!まずはAコースを進みます。中は狭いですが、Aは濡れないし、人の手が入っているので道筋も分かりやすいし階段が作られてたりしました。ただ、さすが入水鍾乳洞。。コースの脇とかに、水が、「ゴーーー!!!」っとけたたましい音を立てながらすごい勢いで流れていて、怖い!!音も怖いし、本当にすごい勢いで水が流れていたので(巨大な蛇口いっぱいひねったみたいな…)、落ちたら死ぬな、という恐怖感。そして、この先のBコース、水に浸かるということですが、まさか、この勢いの水の中進むんじゃないよね…心臓がドクドクしてきた。。
そしておとずれた、
「Aコース終点。Bコース入口」
明らかに、Aコースと雰囲気が違う…狭い、暗い、天然水路。錆びついた鉄柵で囲われたBコースへの入り口から連想されるは、炭鉱。うん、なんか、炭鉱っぽい!この先に待ち受けているのは、過酷な修行。
早速、入水!
恐る恐る足を水につける。
「っっつめたぁぁああああいぃぃぃ!!はあーはあー痛い!痛いよおぉおぉ~…無理かもしれない!!私無理かもしれない!本当に慣れるの?!行ける気がしないよおお!」
と散々喚く。
まじで無理、早くも諦めようかななんて思っていた私だったが、一緒に行った人が
「いやこれ進むしかないよ!足の感覚無くなるまでとりあえず進むよ!!」
凄いなあ、勇気あるなあ。
「…うん」
私は必死に前へと進んだ。冷たい!痛い!暗い!狭い!怖い!念仏をBGMに、とりあえず生きて帰れることだけを祈っていた。
「ああッ」「くお~」「やばいやばい」とりあえず声を発したり。。
あまりの冷たさ痛さに時々足を水から出したりしながら、頑張って水の中を進んでいたら、
「あれ…なんか慣れてきたかも…」
やっと訪れた冷たい水への慣れ!もとい、やっと足の感覚が無くなった!
よかった~慣れた~慣れるもんなんだね~と安堵する我々。
慣れればこっちのもんです!
あとは進むのみ!!
鍾乳洞の中では基本中腰。大人にはキツイ態勢。
基本灯りも無いので、ヘッドライトがあって本当に良かった。(チューブに豆電球が入った灯りがある所もあるが、弱くぼんやりした光)
細かく道順が案内されるわけではないので、「こっちかな~」と探り探り進む。
一緒に行った男性が先を進み、私がついていっていたのですが、
前を行く彼が突然
「なにこれ!どうやって進むの!え?!?!まじでわかんない!!」
と喚きだした。
追いついてみると、彼はそそり立つ壁の前でパニクっていた。
なるほど、これはどう考えても行けないな。
「そっちじゃないんだよきっと。」と彼に声をかけたが、
「え?!だって他に道あった?まじで、え、どうしようこれ、こうか?や、無理っしょ!」
壁と格闘を続けている。
入水鍾乳洞、我々以外にも遊びに来ている人がいて(唯一の安心)、小さい子供連れてきて強者ファミリーなんかもいます。
みんなはどっちに進んでるんだろうと、ちょっと戻ってみたら、案の定!
私達は道を間違えていました!
コースではないとスルーしていたトンネル、他の人がするするとそこに入っていくではないですか!
こっちこそが正しい道だったのです!
ギョ!あの穴にみんな入っていく!!
こっちだよ~!!
と壁の前でなんとかしようと頑張る彼を呼び、いざトンネルへ。このトンネル、「胎内くぐり」という名前がついており、四つん這いにならないと進めない。
Bコース本領発揮!!
手足が水に浸かりながら、進む!
その先は四つん這いが当たり前になった。同時に恐怖にも慣れ始めた。
「太ってたら無理じゃね?!」という隙間を悪戦苦闘しながら通り抜けたり(この太ってたら無理隙間は何か所もあった!)、四つん這いになったり。途中、私のヘッドライトが壊れて点かなくなったり。
今自分たちはどの辺にいるんだろうと思いつつも、先へ先へと進んだ。
と、ついに!!
Bコース終点に到着!!やった~!!
「Bコース終点。これよりCコースは案内人なしでは入洞できません」
と書かれた看板の先は、さらに過酷なCコース。。
Bコースまでの人はここでUターン、来た道を戻ります!
帰りは来た道を戻るだけなので、気持ち的には楽々(^^)すでにクライマーズハイみたいな感じになってた私は、本当に楽しい気分だった。恐怖感が無くなっているので、楽しいあまり跳ねるように進み、天井から伸びている鍾乳石に何度も頭をゴンゴンとぶつけながら進んだ。「そんなにぶつけるとバカになるよ」と言われたが、すでにバカだからぶつけるんだと思った。
そして、Aコースにたどり着き、出口に着きました。
出口には、「喜びの窓」と書かれており、本当だよ!と笑いました。
なんという達成感!!気分は最高!
出できてみれば、全身びしょ濡れ。Bコースといえど、かなり濡れるということです!
駐車場までの下り坂の途中にある流しそうめん
ふれあい館。入水鍾乳洞でお風呂の割引券もくれた。
スリル満点でとても楽しかった入水鍾乳洞。また行きたい!!
入水鍾乳洞
福島県田村市滝根町菅谷字大六89-3
入り水鍾乳洞(あぶくま洞)HP↓
http://abukumado.com/see/irimizu
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