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2015年1月10日土曜日

「エドワード・ゴーリーの世界」展に行ってきました。

昨年末、銀座のヴァニラ画廊で開催されていた

「濱中利信コレクション~エドワード・ゴーリーの世界2~」

に行ってきた。

エドワード・ゴーリーとは、絵本作家であり挿絵画家である。ゴーリーの文章は韻文になっているものが多い。これは短い文章からなる絵本というスタイルで成しえる、文章における最高技法だと思うのだが、ゴーリーは見事に韻文を操っている。またイラストは非常に緻密なモノクロームな線画で芸術性が高いとされており、中にはうろんな客や猫など愛らしいキャラクターもいる。
しかしながらその作品は、果たして意味を成しているのかわからない本当にナンセンスとしか言いようのないものであったり、一切の救いも残さず残酷なまでに不条理な世界を描いたものなど、子供に見せたくない絵本ワースト3に入るようなものばかりなので、絵本作家にしてはかなり異色の存在である。イラストにおいても、絵自体の芸術性は高くとも、あまりにも緻密で、色も少ないため、柔らかさや楽しさは感じられず、子供には「怖い絵」として思われてしまうのではないだろうか。。


私は、ゴーリーの作品に高校3年の時に出会った。
高校の図書館にあったのだ。
最悪な気分になる「不幸な子供」
意味が分からない「華々しき鼻血」「優雅に叱責する自転車」
そして「うろんな客」
他にもいくつか置いてあったが、なぜあんなにゴーリー作品があったのか、いまだに謎だ。
とにかく私はこれらの本を読んで衝撃を受けたのだ。
「不幸な子供」を読んで、あまりの不幸さに、なにこれ!かわいそ過ぎる!こんな絵本ある?!まじでショック!とギャーギャー騒いでいた。
「うろんな客」を読んで、うろんな客の行動が奇妙過ぎて、意味が分からんとゲラゲラ笑っていた。
うろんな客真似ごっことかやってしまったくらいだ。
こうして私はハマっていったのだ。

そんなゴーリーの作品展あるっていうから、
これは行かなきゃって!行ってきた。
そこで解説読んで知ったのですが、
ゴーリーってハーバード大学出てるんですって、頭良いですね!
というか、美術系の学校出身とかじゃないんですよ!あんなに絵がうまいのに。すごい。
大学卒業後、出版社に勤め、そこでブックデザインの仕事をするようになり、ブックデザイナーになったそうです。この経験が後のゴーリーのキャリアに大きく影響したんですね。
今回の展示では、立体的な仕掛け絵本やポスターなど貴重な作品を見ることが出来たのですが、
考えられたタイポグラフィが下書きに残っているのを見たりすると、元出版社の人間であることが作風に出ているように思われました。

うん、良い展示でした!
撮影禁止だったので画像はありませんが、すばらしいコレクションの数々!
テンションあがって帰りに「うろんな客」買って帰ったんですが、
翻訳者のあとがき読んで、なんでこの本(「うろんな客」)がこんなに面白いかわかりました。
このキャラクター(うろんな客)、行動が子供なんです。
子供の行動って大人には理解できないことばかりじゃないですか、それなんです。
それに気づいて、ゴーリー、すごいってまた思いました。

さすがハーバードw


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