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2014年10月24日金曜日

終電で。

終電で地元の駅に降り立ち、家路に急ぐ。
すっかり秋になっている空気は、夕方まで降っていた雨を含んでひんやりとしている。
終電の時間ともなると、明かりといえばタクシーやお迎えの車のライト、駅前に一つあるコンビニの明かりくらいしかないこの地に帰ってきた人は皆、もくもくと我が家へ向けて歩を進めるのである。
都会では無い、だからと言って田舎というわけでもないのだが、多くがサラリーマンで東京の会社へ勤めに行っているので、この町自体の夜は早く、その夜の早さや静けさはいわゆる田舎と変わらないように思える。とても静かだ。そして暗い。だから家までの道のりは少しばかり怖い。今日のように空気の冷たい日はなおさら。
わたしもこの駅で降りた数少ない他の人と同じように、駅を出るとまっすぐ、すでに眠っているこの町を早足で突っ切っていく。
雨が降った後のアスファルトには、落ち葉が押し花のように散らばっている。その落ち葉がアスファルトを照らす街灯の光をとらえて、ぼうと怪しく光っている様が幻想的に見えたのはアルコールのせいか。いつもは汚く見える雨に濡れた落ち葉が、今日はなんだか綺麗に見えるのはどうしてだろう、もう少し見ていたい、もっと美しいものが見えてくる気がする。そう思った瞬間ふと我に返り、トイレトイレとまた足早に帰っていった。

きっとお酒のせいだけど、せっかく幻想的で素敵だと思えたのだから、忘れないように書き留めておこう。寝る。

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